2009年5月2日土曜日

ピンホール

カメラに親しむようになって思い出すのが「ピンホール」だ。すでに小学校の理科でやっていたように思うが、どうしても理解できなかった。なんで小さな穴を通してロウソクの像が向かいの壁に写るのかということが。固定観念にとらわれたワタクシのヘボアタマでは、物体がそれより小さい穴から「見える」ということが想像できなかったのである。

一方天体望遠鏡のほうは、いかなデカい星でもとおーくにあるので天体望遠鏡のレンズの「中におさまって」見えるという風に理解していた。だからロウソクをうーんとうーんと遠くにやってピンホールの穴からのぞいて中に収まって見えるくらい小さくするというなら理解できるが、どうやったってその位置のピンホールの穴からはロウソクのボデーの部分が真っ白く見えるだけだろうがという風にしか考えられなかった。でもロウソクが危ないからか小学校でも中学校でもその実験をやってくれなくて、確か高校で初めて先生が実演してみせてくれたのを見て、とても不思議だった。

とダソナに言ったら「うちの茶の間にピンホールあるの尻ませんカー?」と言う。「それってどこどこ」ときくとカーペット(お座敷だけど)を指す。「エレクタ」製の棚の棚版には小さな穴が開いている。その一番床に近い段の棚板の穴の下のカーペットに白いワッカが映っていた。「コレが結像してるじゃないですカー?」とダソナは天井の蛍光灯のワッカを示して言う。

なーるほど。全然気づかんかった。ダソナずっと知ってたんだ。自分のダソナながらエライ。

さらに同じ原理のピンホールはそのへんの紙に穴を開けてもできると教わった。A4版の紙の中心に穴を開けてみたワタシにダソナは「それじゃ小さいかもヨ」という。原理がまだ飲み込めていなかったワタシは「ああ紙が蛍光灯のワッカより小さいってこと?」と聞いてしまった。光が回折するということがまだ実感できないらしい。分光機器エンジニアの妻の資格がだいぶないと思った。ともあれ身近な科学おもちゃを見つけたワタシはそれ以来いろいろな大きさの紙にいろいろな大きさの穴を開けてはテーブルや床の上に結像させて遊んでいる。

1 件のコメント:

  1. イーシャの舟2009年7月19日 14:38

    日食のとき晴れていたら、大きめの画用紙に自分の名前と日付を小さな穴のならびで書いて、三日月形になった太陽を結像させて遊んでくださいな。日食ハンターがよくやる遊びですよ〜。
    三日月形の木漏れ日が無数にならんで揺れるもをかし。

    返信削除