2009年2月4日水曜日

フェイルソフト

Pandoraボックスは買ったけど、単純なメトロノームも重宝する。BOSS製のハンディーなメトロノームを使っていて、動作中は液晶画面に振り子画像も表示させるヤツだ。
ある日使っていて、ふと見たら、その液晶画面の振り子が映らなくなっていた。音はちゃんと出る。それどころか、同じ液晶画面のテンポやビート、リズムなどのデータはちゃんと映っているのに、振り子だけが映らないのだ。

「こんな不具合ってあるのか」

と思った。その翌日かそこらにそれを買った楽器屋さんに行ったとき、同じものがまだ売ってあったので、店員さんにきいて見ようかと思ったけどその辺にいなかったのでやめた。

「まあいいや、どうせ練習んときゃフレットばっか見てて振り子なんて見てねぇし(悪い奏法例)」

と、二、三日それでトド凍りなく練習していたら、とつぜんピコピコの音が消えた。

「ん?」

と見ると、液晶に表示されているリズムの設定が変わっている。16分X4に設定していたのが、4分X1になっているのだ。

設定を戻してまたしばらく練習していたら、また音が消えて、また4分音符になっていた。

「まさか」

と思って、今度は興味が湧いてきた。このまま無理に使っていくとどうなるんだろう。

予想通り、しまいにはウンともスンとも言わなくなった。

スーパーでボタン電池を買ってきて取替え、パワーを入れた。

「おおッ黒い」

液晶に現れた表示の黒々としたさまに驚愕した。つまり、それまでコントラストジリ貧で使っていたのに、毎日のことだから気づかなかったのだ。もちろん振り子も復活した。

ここで考えてみよう。このBOSSのメトロノーム、電池が足りなくなったとき、

1)振り子の表示が消えたが、音やデータ表示は保たれた。
2)リズム音の発生が1/4になったが、テンポは保たれた。

つまり、同じテンポで音を出すというメトロノームの最低限の機能を落とさないように、必要の小さい機能から順に切り分けて落としていったのだ。

これって「障害を切り分け、機能を低下させても稼動を続ける障害対策フェイルソフト」ってヤツですよねッ。違いますかせんせーッ。

すごい。さすがBOSSというメーカーはすごい。こんな小さいデバイスにミッションクリティカルな動作プロファイルを設定しているのだ。でも電池たんないサインもつけてくれるともっとすごい。

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